これまで『CartReader』で様々なソフトを吸出してきました。
次に吸出したい機種は『ワンダースワン(WS・WSC)』 です。
『ワンダースワン(WS・WSC)』は、実機が外部出力できない機種な上、
『レトロフリーク』にも対応しておらず、吸出す以外に大画面・高音質で遊ぶことが難しい機種です。
そして『ワンダースワン(WS・WSC)』は『CartReader』で吸出しできますが、
吸出すには『吸出しアダプタ』が必要 となります。
今回は『ワンダースワン(WS・WSC)』の吸出しアダプタを組み立てていきます。
Contents
『ワンダースワン(WS・WSC)』の吸出しアダプタ基盤について
実は『ワンダースワン(WS・WSC)』の吸出しアダプタ基盤はフリマサイト等で販売されています。
吸出しアダプタの基盤データは、『CartReader』のサイト内で公開されています。
https://github.com/sanni/cartreader/tree/bd3eaa106b6e4cbdffbfa89a3fb5fedf3e028b17/pcb/adapters
このデータを元に、個人が基盤を業者に発注して販売されている状態です。
自分で基盤の発注もできるのでしょうが、最小発注数があったり、海外の業者だったりしますので、
自分用に1枚ほしいだけなら 販売してる個人から購入した方が安上がりかと思います。
コンデンサも購入単位が大量になることもあり、セットになっているものがおススメです。
そして、基盤データから基盤が作れたとしても、
『ワンダースワン(WS・WSC)のカートリッジスロット』は互換品が出回っていないため
組立の際は、実機から取り外して使用することになります 。
参考までに、2022年11月現在の取引価格の目安は下記の通りです。
吸出しアダプタ基盤+コンデンサ2個セット 900円
『ワンダースワン(WS)』のジャンク品 1000円
組立済の吸出しアダプタ 3500円
組み立てる手間を考えると、『組立済の吸出しアダプタ』を購入してもいいかもしれませんね。
私は、はんだ付けの練習も兼ねて『吸出しアダプタ基盤+コンデンサ2個セット』を購入しました。
以下は素人の工作ですので、暖かい目で見ていただけるとありがたいです 。
『ワンダースワン(WS・WSC)』の吸出しアダプタを組み立てる
今回生贄になってもらうのは、モノクロの『ワンダースワン(WS)』です。
液晶がビネガーシンドロームになっていて映らないジャンク品を購入しました。
0. 使用するもの
使用するものは12点 です。
- ワンダースワン(WS・WSC)実機
- ワンダースワン吸出しアダプタ用基板
- コンデンサ2個
- トルクスネジ(T7)※T6・Y字でもOK
- フラックス
- はんだ
- はんだごて
- はんだ吸取線
- ピンセット
- カプトンテープ(固定用のためマスキングテープ等でもOK)
- エタノール
- 歯ブラシ
1. ワンダースワン(WS)実機からカートリッジスロットを取り外す
まずは、カートリッジスロットを取り外していきます 。
1. ワンダースワン(WS)裏のネジ6本外す
トルクスネジ(T7)で『ワンダースワン(WS)』裏のネジ6本を外します。
トルクスネジは下記の様な形状のネジを言います。
2. 裏ふたを外す
裏ふたはケーブル類で繋がっていません。
本体下部の電池ケース周辺にツメがあるため、上部から外すとスムーズです。
3. 液晶のフラットケーブルを外す
基盤上部コネクタの両脇にある黒いストッパーを持ち上げます。
フラットケーブルを引き抜きます。
4. 基盤を取り外す
持ち上げるだけで外れます。ネジで固定されていません。
5. カートリッジスロットを基盤から取り外す
カートリッジスロットは、スロット下のピンだけで基盤に付いています 。
なので、カートリッジスロット下のピンのはんだを取ると カートリッジスロットが外れます。
まず、カートリッジスロット下のピンに フラックスを塗り、はんだを盛ります。
はんだ吸取り線でピンのはんだを吸取ります。
小手先は先端が平なものを使用しました。平面で熱が伝わりやすいです。
ピンは細いため、無理に引っ張ると破損の可能性 があります。
焦らずにはんだ吸取線にはんだが付かなくなるまではんだを取ると、スロットは軽く外れました。
はんだ吸取り後の様子↓
カートリッジスロットが外れました 。
ピンも折れたりしておらず、一安心です。
5. フラックスを使用した部分をエタノールと歯ブラシで洗浄
カートリッジスロットを外した『ワンダースワン(WS)』ですが、
今後部品取りで使用するつもりなので、基盤のフラックスをエタノールで洗浄しておきました。
2. 吸出し基盤の端子をエタノールで清掃
私は、吸出し基盤とコンデンサ2個がセットになっているものを購入しました。
部品を取り付ける端子部分をエタノールで清掃します。
3. 吸出し基盤にコンデンサを2個取り付ける
1. 基盤にフラックスを塗り、予備はんだをする
コンデンサを取り付ける端子4か所にフラックスを塗り、それぞれ片側の2か所に予備はんだをします。
小手先は、鉛筆程度の太さのものを使用しました。
2. 基盤にコンデンサを取り付ける
私が買ったセットは『タンタルコンデンサ』というコンデンサが付いていました。
コンデンサの極性(+-)に注意しながら ピンセットでつまみ位置決めをします 。
先ほどの予備はんだで片側だけ仮付けします。
コンデンサの取付位置が決まったら、左右をきちんとはんだ付けします。
私はキレイにはんだ付けできませんでした…。
コンデンサを2個取付完了 です。
4. カートリッジスロットを吸出し基盤に取り付ける
1. カートリッジスロット取り付けする基盤側端子にフラックスを塗る
基盤上の カートリッジスロットのピンを取付する端子 にフラックスを塗ります。
2. カートリッジスロットのピン位置を合わせてテープで固定
カプトンテープ で カートリッジスロットを基盤に固定します。
カートリッジスロットの出っ張り と 基盤の穴 を合わせるだけで、簡単に位置決めできます。
3. カートリッジスロットのピンをはんだ付け
カートリッジスロットのピンをひとつずつはんだ付けします。
4. エタノールでフラックスを洗浄
フラックスを使用した部分をエタノールと歯ブラシで洗浄します。
これで、『ワンダースワン(WS・WSC)の吸出しアダプタ』の完成です。
まとめ
今回は、『ワンダースワン(WS・WSC)の吸出しアダプタ』を組み立てました 。
一つひとつの作業は、丁寧に進めれば さほど難しくありませんでした。
はんだ付けの練習としては良い機会になったと思います。
次回は、この吸出しアダプタで『ワンダースワン(WS・WSC)』ソフトを吸出していきます。
CartReaderでワンダースワンソフトを吸出す方法はこちら↓